福津市まちづくり.com
まちづくり研究会は、海洋環境保全を推進するに当たり、福津市沿岸部の変化の歴史を公開、
現状を理解し、以前の施策が海洋環境や海洋生物保全に不都合な点があれば、
将来へ向け改善案を行政に提案、現在海中の映像を保存、公開しているが、今後も海や汽水域、
干潟の監視を継続しなければならないと考えています。
私たちは、福津市の基幹産業の一つである水産業の維持、また海と言う観光資源の保全、改善へ向け、
専門家に意見を伺いながら、自らの知識を養う第1回目の勉強会を実施いたしました。
当日の状況:動画参照
この津屋崎水産実験場は、九州大学農学部生物資源環境科学部門の大学院に付属する施設で、
ここに常駐して研究される方には下記の研究者たちが居ます。
・吉国 通庸(よしくにみちやす)教授(水産試験場所長)
専門分野:生殖生物学、産卵誘発ホルモン(ナマコ、マガキ、ウニ、クルマエビなど)
・鬼倉 徳雄(おにくらのりお)准教授
専門分野:魚類学、魚類生態・生活史と保全、陸水生態系・干潟生態系の保全、
クロバー飼育ウニで有名、上西郷川魚類調査指導
・栗田 喜久(くりたよしひさ)助教授
専門分野:胚発生学、水産増養殖学、二枚貝の発生・成長など
今回は、吉国教授に施設の説明と産卵誘発ホルモンの概要を説明頂きました。
この誘発ホルモンとは、雌の単体が産卵の際分泌するホルモンらしく、
このホルモン分泌機能を利用し、産卵を促せば人工受精にも利用できる。
また、これら受精卵を各県水産試験場などの機関で養殖後、
稚魚として放流するなど行えば、水産資源保存に繋がっていく、
など研究の利用法について説明を頂きました。
また人工授精など、完全養殖により育てた稚魚の放流先は、現在でもその種が生息する場所が良く、
生息していない場所への放流は、環境が異なり不向きであるなど、
私たちにも分かり易く説明頂きました。
衰退状況下にある水産業は、カキの養殖を始め、
竹林伐採による竹を再利用した漁礁など計画していますが、
併せて稚魚、稚貝などの放流を行えばさらに効果が期待でき、
海域だけではなく、汽水域も使用した栽培漁業など、
私たちは、新たな漁場と魚種を求めた漁業に取り組む必要があると考えています。
晩秋には美味いモクズガニ(毛ガニ)の販売を”お魚センター海がめ”で見かけ、放映しましたが、
これらの採捕禁止(漁業権運用)とこの種の稚ガニ放流も、
定着した新たな魚種開拓になるのではと考えています。
津屋崎干潟に生息する生物も衰退を辿っており、水質や底質の改善へ向け、
いち早い対策が望まれます。
研究会が早急に実施願いたい施策の中には、
アサリの採捕禁止または採捕期間の設定、合わせて採捕大きさの制限などがあります。
皆さんご存じの通り、干潟に生息するアサリは水質改善の主役でありながら、
春先には市内外の人たちにより無制限に採捕されている現状があります。
アサリは漁業権で採捕を禁止されていますが、漁協の厚意で見逃されています。
これらを放置すると、アサリは限りなく減少、干潟の水質悪化、終には漁業権の放棄にも繋がり、
漁業権を継続するには有料化を、徴収した金銭で稚貝の放流など、
市民の楽しみな行事”潮干狩り”の継続と共に、アサリの保全検討が望まれます。