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オミクロン対策

2022/1/25 記
心配されていたことが現実に起こってしまいました。 昨年末より東京、沖縄方面で感染が報道されていた新型オミクロン、 デルタ株の感染低下を受け飲食や会合、 イベントなどの制限緩和もあり、併せて正月の帰省など、 あっと言う間に日本国中に感染が拡大してしまいました。

福津市においても正月以降感染者が報じられ、 毎日感染者の数字は増えていますが、 市や県のHPでも感染や感染経路などの情報は不足、 私たち市民は、どのように毎日を過ごせば良いか迷うところであります。 そこで国の研究機関や物理学、感染が多い都市の情報を整理、 感染について分かり易く解説、 そしてもし体調に異常を感じたらその対策などを整理して記載しました。 参考になれば幸いです。

1、オミクロンとは


デルタ型コロナが収まったかと思いきや、 アッと言う間に新型コロナの変異株であるオミクロンが登場、 2022年の新年が明けた現在そのほとんどがデルタからオミクロンに変移してしまった。
アルファ、ベータ、デルタなど、疫学上ウイルスの区別はWHOで定められ、 基幹ウイルスはSARS-CoV(重症急性呼吸器症候群を引き起こすウイルス)とされており、 その姉妹種をSARS-CoV-2、 現在猛威を振るっているオミクロンはその変異株でSARS-CoV-2-B.1.1.529として分類されている。
番号で表示されると戸惑うが、アルファ、ベータ、 デルタなど総称で表示されると分かり易く、TV広報や新聞紙上では総称でオミクロンが用いられている。

さらに英国保健安全省庁(UKHSA)は、従来型オミクロンをBA-1、亜種をBA-2と区別し、 BA-2はBA-1より感染力が18%ほど強いとして発表した。
日本ではBA-2をステルスオミクロンとして報道されるようになってきたが、 WHOは現在『懸念される変異型(VOC)』には指定していないものの第7波として心配される。

2、感染はどのように起こるか


コロナウイルスに接することで感染する。これは正しいですね、 ではどのように接して感染するか、これも皆さん既に知識はあると思いますが、 以下整理してみました。


(1)感染の種類

大きく分類すると以下の3つに分けられます。


①接触感染
文字の通りウイルスが付着しているものを触って起こる感染です。 ただ触っただけで感染するわけではありませんが、 その触った手で口、鼻、目などを触ることで体内に取り込まれ、 ウイルスに感染すると考えた方が良いでしょう。
ものとは、ドアノブ、蛇口、机、椅子、調味料の瓶、 箸など日常手にする機会が多いものの他、 スーパーで人が良く手にするものも含まれるでしょう。
この対策として盛んに『手を洗いましょう』と報じられていますし、 また店先に置かれてある消毒液で入出店の際は、 手を良く消毒することで防げると思われます。

②飛沫感染
これは、感染者(ウイルス保菌者)がするクシャミ、呼吸、 会話により排出されるウイルスを含んだ粒子を吸い込んで感染するもので、 粒子の重さや大きさから後述する物理学的理由により ソーシャルディスタンスは2mと言う基準が設けられました。
クシャミや呼吸により排出される粒子の内、 大きさは1μm以上で水分を含む粒子(ここでは飛沫粒子)は、 重量、粒子径が大きく短時間で降下することから、 人が呼吸により感染する確率が低くなる、これがソーシャルディスタンス2mと言われる所以になっています。 それでも吸引される可能性もあるとし、 この対策として『頻繁にうがいをしましょう』も繰り返し報道されています。

③エアロゾル感染
エアロゾルとは、空気中に浮遊する粒子のことで前項の飛沫粒子も含まれます。 前項の飛沫は粒子径1μm以上として感染上区別されていますが、 その内比較的長く空気中に浮遊する粒子としてエアロゾル粒子0.1~1μmと言うものもあり、 このエアロゾル粒子は、降下し難い粒子として対策は 『換気により屋外へ排出』するよう指導されています。

またこれらエアロゾル粒子と比較すると、感染の原因となるウイルス粒径は0.06~0.14μmと小さく、 単独ではさらに長く浮遊すると考えられますが、 しかし現段階ではこのエアロゾル粒子によるコロナ感染は、感染学上確認、実証されては無く、 今のところエアロゾルによる感染は起こらないであろう、とされています。


(2)感染価と暴露回数による感染

本当にそうなのでしょうか、よく引き合いに出されるタバコの煙、 この煙粒子もエアロゾル粒子ですが、 タバコを吸っている人から2m以上離れていても匂いを感じます。 これは煙粒子が風に乗り届いていることを示しますが、 この煙粒子の濃度が高ければ高い程けむい、タバコ臭いと思う方は多いはず。
この粒子の数を感染学から言うと感染価と呼び、数値が高い程濃度が濃いものとなります。 感染価数値による感染率はまだ検証段階で詳しい相関例は見られませんが、 出来るだけ感染価の高い(濃度が高い)場所には行きたくありませんね。 1回吸っただけで感染しそうな気もします。
また濃度で感染を疑う際は、繰り返し吸引も視野に入れなければなりません。 高濃度を10とすれば、その場に長く居て低濃度1を10回吸えば高濃度と同じになります。

この濃度10や濃度1の環境状態に接することを暴露と呼びますが、 冒頭の暴露回数は暴露滞在期間とした方が良いのかもしれません。 この滞在期間による感染率もまだ明らかになっていませんが、 良く言われる『密を避ける』は、暴露状況下に長く滞在せず、 繰り返し吸引を避けましょう、と言う事になります。

飲食店なんかに行きますと、前に透明のアクリル板が施されていますが、 これは飛沫感染を対象としたもので、感染価や暴露の観点から見ると役には立ちません。
本来水分を含み重量を持つ粒子は2m以内で降下するとされていますが、 吐く息は白く見える冬などにおいて、乾燥条件下では即座に水分は蒸発、 白く見えた息は透明となり見えなくなります。 同じように排出されたウイルスが含まれる水分粒子は、蒸発により小さく軽くなりエアロゾル化、 密室ではどんどん感染価は高くなっていきます。
家庭に閉じこもった過ごし方はこの密室と同じ状況下とも言え、 国の専門家会議 尾身会長が言う『ホームステイは必要ない』の発言は、 前述した観点から考えると納得できるものです。 言い替えれば『同じ場所には長く滞在するな』と言う事でしょうか。

家庭内感染が増える中で、屋外エアロゾル感染は確認されていないことから、 症状の軽い人は、出来るだけ人の少ない場所を選択、 過ごした方が家庭内感染を防げるのかもしれません。

3、異常な症状を感じたら


まず下の図を見てみましょう。

(1)感染による発症とウイルス排出期間

これは、ウイルスが存在する環境に暴露した日から発症するまでの日や 発症してから感染力のあるウイルスを排出する期間などを現した図です。
①は、海外や日本における感染データから現在わかってきたもので、暴露から発症するまでの日を 概ね5日以内としています。
②は、発症した日(検診により陽性と判断された日)を表しており、 この日を特定するのは個人差もあり難しいでしょうが、 ここではより多くのデータが示す日にちを参考に記載しています。
注意願いたいのは、発症日は1日目もあり5日後でもあり得ると言う事で、 感染力の強いウイルスを排出する期間は6日間程度、その後は弱まり、 感染力のあるウイルスを排出する期間は全期間で10日程度であることが分かっています。

私たちが何らかの異常を感じ陽性となった日は、 初期感染(暴露)からすでに2~3日は経っていることが多く、 これはデルタ株と変わらないように思えますが、 感染力の強いウイルスはすでに排出されており、 デルタ株より感染力が強いオミクロン下では、 症状が軽く感染を気付かない人や感染症状が出る迄の2~3日が、 より多くの感染者を生んでいると言えるでしょう。


(2)異常を感じたらまず検診

感染をしないことが最も重要ですが、疑わしく思ったら、異常を感じたらまず検診を受けましょう。 そのためには、手元にその手順(相談先、家族の電話番号など)を常備して置きましょう。 また体調の変化を疑うためには日ごろの状態を把握してないといけません。 出来ることは限られますが、下記の項目のデータは自ら整理しておきましょう。 それらを基に異常を早くサーチしましょう。

①日ごろの行動日誌に加え、大まかに自己症状を記録して置く事も大事です。
②体温(朝、昼、晩の3回)
③血圧、心拍数(朝、晩の2回程度)
④抗原定量検査キット(市販品を購入し常備を)
➄その他の症状(症状はよく似ており下記を参考に)




まず発熱が多いようですが、その他上記の症状に数点当てはまると感じたら、 抗原定量検査キットをお持ちであれば自己検査を勧めます。 この検査キットで陽性となれば間違いなく感染しており、すぐに保健所、 かかりつけ医に電話、対応の指示を受けてください。
この検査キットで陰性と出る場合もありますので、 自己診断で異常と感じたら相談窓口やかかりつけ医に電話し、指導を仰ぐと良いでしょう。 陰性だからと言って感染してないわけではありません。 ごく最近このキットで陰性の結果が出ても、 50%程度は陽性であったとの報告例もあります。

(3)福津市の相談窓口

相変わらず福津市の相談窓口は、ワクチン接種に関する情報ばかりで、 事業者に対する支援情報はあれど市民に対するコロナ発熱支援情報は皆無状態です。
下記に少ない情報ですが、福津市のHPから転記した情報を記載しておきます。



(4)福岡県の相談窓口及び県が公表する検査医療機関

抗原定量検査キットで陽性と出た場合や発熱、 その他の症状が見られ体調に異常を感じた人は、 下記に沿い相談窓口や医療機関に電話を入れ指示を仰ぐと良いでしょう。

・このパンフレット(PDFファイル)に沿い相談ください。 

・県が公表する医療機関です。該当機関チェックください。



(5)自宅療養、宿泊施設療養、入院療養に際しての準備、Q&Aなど

療養や入院の際、準備するものやQ&Aを記載していますので、 これらを参考に準備して置くと良いでしょう。

・自宅療養や宿泊療養の場合  

・入院療養の場合       

4、まちづくり研究会


今回のページでは、オミクロンについて現在わかっている情報に基づき、 体調に異常を感じた場合の対処について整理して記載してきました。
新しい情報は、国、研究機関、新聞紙上でも毎日報道されていますが、 私たち市民が知りたい情報は少なく、知りたい具体的な施策は国から都道府県へと振られ、 都道府県の対処にもよるが市町村では国が言う施策と時差が生れ、 何がどのように施行されるのか市民は戸惑うばかりです。

福津市のHPにはブーストワクチン(3回目ワクチン)、経済支援情報だけで埋められ、 関連リンク先がひしめき私たちが知りたいページにたどり着くのは至難の業です。 経済活動支援も必要でしょうが、一番大事なのは市民の命です。
今後家庭内感染、保育所感染、学校感染が増える一方で、自宅待機や養生を迫られる折、 世帯を守る方法を真剣に検討いただき、いち早く公開、指導をお願いしたいものです。

今後は公共機関の対応、対処が遅れた場合も予測し、 各世帯単位での対処を整えておく必要があるように思えます。
少し消極的ですが、


①前記の感染を良く理解し感染のチャンスを出来るだけ避ける。
②感染や体調の異常を感じたら、相談、検診など行動マニュアルを作っておく。
③感染で入院や宿泊療養所入所の指導を受けた場合を考慮し、 連絡先や持参するものなどは整理して置く。
特に子供が居る場合は、詳細にシュミレーションしておいた方が良いでしょう。
④自宅療養を指導された場合を予測し、その際の備蓄や過ごし方を準備して置く。


また大変な1年が続きますが、対応の準備さえ整えて置けば怖がる必要はないと思っています。 お年寄りや子供たちにとっては、家に閉じ籠ることの方が肉体的、精神的に苦痛を強いられるなど、 今後はコロナによる合併症も出るのではと心配しております。
まちづくり研究会は、そのような人たちを応援します。